事業はどうやって立ち上げる?事業立ち上げの具体的な5つのプロセスを詳しく解説
ビジネスのアイデアが浮かんだら、事業としての立ち上げを検討してみましょう。企業としても立ち上げられますが、すでに開業している場合は部署としてスタートすることも検討できます。事業を始める具体的な手順について解説するので、ぜひ参考にしてください。
CONTENTS
事業の立ち上げ方
アイデアを思いついたときは事業として成立しないか考えてみましょう。ビジネスモデルとして成立しそうなときは、事業の立ち上げを検討します。
事業の立ち上げには、初期費用がかかる、収益がすぐには得られない、損失が出るかもしれないといった多様なリスクが付随するでしょう。しかし、計画を練りリスクヘッジをして取り組むなら、成功を手にすることは可能です。まずは事業の立ち上げ方について見ていきましょう。
1.部署として立ち上げる
すでに会社を所有している場合は、新部署として事業を立ち上げることができます。しかし、事業として立ち上げる前に、まずは現在取り組んでいる事業と被っている部分があるか、また、特定の部署と協力するほうが進めやすいのではないかチェックしてみてください。被っている部分があるときや協力するほうが望ましいときは、新部署として立ち上げるのではなく、部署内のプロジェクトとして立ち上げるほうが良いでしょう。
特に被っている部分がなく、独立した部署として成立するほうが望ましい場合は、新部署として立ち上げます。部署の指針を従業員に明示し、異動希望者を募集しましょう。内部で人が集まらないときは、外部に立ち上げたい事業の経験者などを求人募集することもできます。
2.企業として立ち上げる
会社を保有していない場合、あるいは新企業として成立させたい場合は、企業としての立ち上げも検討しましょう。まずは以下を決定し、企業の基礎を構築してください。
- 会社名
- 事業目的
- 本店所在地
- 資本金
- 定款
事業目的はひとつに絞る必要はないので、将来的に手掛ける可能性がある領域についても記載しておきましょう。定款は紙でも電子認証でも問題はありません。ここまで決定した後で、会社の登記を行います。登記には以下の書類が必要です。
- 登記申請書
- 登録免許税分の収入印紙
- 定款
- 資本金の払込みを示す書類
- 印鑑証明書
企業の発起人や取締役、監査役に関する就任承諾書や本人確認書類も必要になります。登記が終わると法人設立の手続きも完了です。次の手続きを行い、法人として運営できる状態にしておきましょう。
- 法人届などを税務署に提出
- 法人届などを自治体に提出
- 年金事務所に必要書類を提出
各手続きに関しては自治体や会社の形態によって異なることがあります。管轄の事務所に連絡し、必要な手続きを済ませましょう。
3.M&Aを実施する
新規事業の立ち上げはさまざまな手間がかかります。紹介したように、企業として立ち上げる際にはさらに手間がかかるでしょう。また、事業を立ち上げても軌道に乗るまでに時間がかかるだけでなく、初期投資を回収できない状態が続くこともあります。
しかし、M&Aを活用すれば、一から事業を立ち上げなくても事業を開始することが可能です。事業だけ買収することもできますが、企業ごと買収することもできるので、手間をかけずに事業を始められるでしょう。当然、費用はかかりますが、設備等の立ち上げの費用や収益化するまでの時間、ノウハウの習得、などを考えれば、かなり効率的に立ち上げられると言えます。
M&Aを専門に扱う仲介会社に相談すれば、買収先の事業や企業の選定から売買契約の締結までワンストップで任せることができます。弊社でもM&Aのお手伝いをしておりますので、ぜひご相談ください。
事業を立ち上げる5つのプロセス
事業を立ち上げることはできても、継続することは容易ではありません。事業として継続するためには、利益がコンスタントに入る仕組みを作り、適切に運用することが必要となります。
継続できる事業に育てていくためには、立ち上げの時点で適切な議論が必要です。
1.解決する課題を明確にする
継続できる事業を立ち上げるためには、解決する顧客の課題を明らかにすることが必要です。顧客の課題が明らかであれば、そこに事業のニーズが生まれ、継続が可能になるでしょう。
顧客が今、どのような課題を抱えているかはたとえば、「3C分析」と呼ばれるフレームワークを用いて分析することが可能です。3CとはCustomer(顧客)とCompany(自社)、Competitor(競合他社)の3者を指し、顧客の視点でニーズを探し、そのニーズに応える自社の強みと、競合他社と比較したときの弱みを分析していきます。
2.事業分野を明確にする
解決する課題を明確にしたうえで、事業分野を絞っていきます。例えば「家の中での親子のコミュニケーションを増やす」という課題を見つけた場合は、親子で学べる家庭学習用ソフトウェアを開発する事業も検討できますが、室内用トランポリンなどの運動器具の開発事業も検討できるわけです。
事業分野を明確にするプロセスでは、既存事業との相性を考える必要があります。既存事業が扱っている領域から距離がある場合には、当然ながら必要な時間や投資が増えてくることになります。
具体的には、既存事業のアセット(持ち物)とビジネスモデル、の軸で考えた際に、何が活かせるのか、何が足りないかを考えます。
たとえば、美容サロンをすでに展開していたとして、ヘアカットなどのサービスだけでなく、商品販売事業を立ち上げるとしたら、店舗や顧客といったアセットは活用できますが、ビジネスモデルは異なります。そのため、新規事業の立上げについては、商品の仕入れや販売ノウハウ、が得られれば立ち上げられます。
逆に、美容サロン向けに顧客管理のITソフトを提供する、という事業を考えた際には、アセットもビジネスモデルも異なるため、そもそもの人の採用からノウハウの蓄積、販路の開拓など、まさにゼロベースで作り上げる必要があります。
このように選択する事業領域によって難易度やポイントとなる要素が異なりますので、既存事業との相性という観点で考えることが良いでしょう。
3.事業の将来性と競合企業を調査する
事業分野を絞り込んだ後に、事業の将来性について考えていきます。将来性はニーズが継続するものなのか、また、今後上昇を期待できるかの2点で判断できるでしょう。事業の成長性やリスクも考慮し、将来性のある分野か探ります。
将来性がある事業と判明した場合は、3Cで扱う競合他社やカスタマーについてより深く調査しましょう。どんなに将来性が高い事業でも競合他社が多い場合は安定した利益獲得は困難です。また、顧客が少なると分かっている市場での成長もまた難しくなることが予想できるかもしれません。
4.資金を準備する
競合企業に勝てそうな事業であることが判明した上で、資金を準備していきます。例えば新しい製品を生み出すビジネスを立ち上げる場合は、工場や機械などの設備投資が必要になるでしょう。
資金に余裕がない場合は、最初は小規模から事業を始めるほうがローリスクです。また、自己資金で用意できないときは融資を受けることになりますが、無理なく返済できることを意識して借入額を決定しましょう。
5.事業を撤退する基準を決める
事業を始める前に、事業撤退の基準を決めておくことも大切です。事業を継続すればするだけ負債が増えていくような場合でも、最初に基準を決めておかないと、「もう少しすれば状況は好転するから」と根拠なく継続し、負債を積み上げることになりかねません。3年で売上規模〇〇円になれば継続、負債額が〇〇円になったら断念する、というように具体的な数値基準を設定しておきます。
M&Aについてご相談ください
新規事業の立上げには時間と手間がかかります。また、収益化に関して保証されているものでもありません。
M&Aを活用することで、事業立ち上げの手続きや収益化のプロセスを短縮することも可能です。すでにある販路や従業員、ノウハウがある状態で引き継ぐため、軌道に乗るまでの時間も短縮できます。ぜひ弊社にご相談ください。