セミリタイアとは収入を得つつ早期退職すること!必要条件と準備は?

セミリタイアとは、半分だけ現役から退くこと、つまりある程度の収入は得つつ早期に仕事を辞めて、時間的あるいは精神的に余裕のある生活をすることを指す言葉です。実施するためには何を準備する必要があるのか、またメリットやデメリットについて紹介します。

 

セミリタイアとは半分仕事を辞めること

セミ(semi)とは半分を表す英語の接頭語です。リタイア(retire)は引退するという意味ですので、セミリタイアとは、半分引退すること、つまり仕事を辞めることを指します。

事業をしている経営者の方であれば、事業を縮小し時間的にも精神的にもゆとりを持って働くことや、経営から離れて暮らすことはセミリタイアといえます。

 

アーリーリタイアとの違い

アーリーリタイアとは、早期に引退することです。仕事を辞めて、定年退職後のような時間的に余裕のある生活を送ります。本業と副業のどちらもしている人なら、すべての仕事から早期に引退し、仕事とは無縁の生活を楽しむことを指すことが一般的です。

例えば「田舎で自給自足の生活を送りたい」という夢を叶えるためにアーリーリタイアすることもできるでしょう。定年退職後では体力があるか分からない、また子どもを自然いっぱいの環境で育てたいと考えている方なら、都市部での仕事や人間関係から引退し夢を実現できるでしょう。

 

早期退職との違い

一方、早期退職はその名の通り早期に退職することです。会社が業務縮小などの目的で有利な条件で早期退職者を募っているときなどに、早期退職をしてまた別の仕事を探します。

もちろん早期退職をして事業を開始したり、アーリーリタイアのように趣味だけの生活に没頭したりすることもできるでしょう。つまり、早期退職はアーリーリタイアとは異なり、余生を楽しむというよりは転職の意味合いが強い言葉です。

 

セミリタイアするために必要なものと準備

すっぱりと仕事を全部辞めてしまうアーリーリタイアと比べると、セミリタイアは生活の変化は少ないかもしれません。しかし、本業となる仕事を辞めることで、生活や人間関係において様々な変化が生じることがあります。セミリタイアをスムーズに進めるためにも、次の5つの準備をしておきましょう。

  1. リタイア後の収入手段
  2. リタイア後の生活場所
  3. 預貯金
  4. 具体的な生活プラン
  5. 家族の同意

 

1.リタイア後の収入手段

セミリタイアは、アーリーリタイアとは異なり完全に収入を断つわけではありません。そのため、セミリタイア前よりは少し減るのだとしても、収入手段は必要です。

すでに他の事業を始めていて軌道に乗っているならば、セミリタイアをスムーズに始めることができるでしょう。しかし、本業以外に収入手段といえる手段がない場合は、セミリタイアをする前に何か探しておきましょう。

2.リタイア後の生活場所

セミリタイアをする前に生活場所についても決めておかなくてはいけません。賃貸住宅に住んでいる場合、収入が減るなどの状況も考慮したうえで選択する必要があります。

持ち家であっても住宅ローンを完済していない場合は、毎月の返済額を見直したり、場合によっては売却の検討も必要になったりするでしょう。

3.預貯金

セミリタイアをすると収入が減ることが多いため、生活費が賄えずに預貯金で補填する必要が生じるかもしれません。数年程度は仕事をしなくても困らない程度の預貯金も、準備しておくほうがよいでしょう。

4.具体的な生活プラン

時間にゆとりが出るので、したいことを決めておくことが必要です。忙しいときは「もっと時間に余裕があれば」と考えますが、あまりにも余裕があると手持ち無沙汰になり、イライラしたり1日中ゴロゴロとしたりして、精神的にも好ましくない日々を送ってしまうかもしれません。

セミリタイア後に何をしたいのか、しっかりと決めておきましょう。

5.家族の同意

1人暮らしでないならば、家族の同意も必要です。収入が減ることで家族の生活に好ましくないない影響を与えることもあるので、セミリタイアをしたい理由やその後の生活について率直に家族に話し、理解を得ておく必要があるでしょう。お子さんがいる場合は、進学の選択肢に影響を及ぼすこともあります。

皆が幸せになれるように、納得できるセミリタイアを目指しましょう。

 

セミリタイアのメリットとデメリット

セミリタイアをすることにはメリットもあればデメリットもあります。セミリタイアをしてから「こんなはずではなかった」と後悔しても、取り戻すことはできません。セミリタイアのメリットとデメリットを紹介しますので、本当に実現すべきか考えてみてください。

 

メリット1.自由に時間を使える

セミリタイアの最大のメリットは、自由に使える時間が増えることです。本業を辞めるため、平日の日中はほぼ自由になります。自分で好きなように計画を立てて、自分が好きなタイミングで活動することも可能です。時間にゆとりがあるため、今まで忙しくて無理だと思っていたこと、例えば事業を始めたり長期旅行をしたりすることもできるでしょう。

メリット2.仕事上のストレスが軽減される

仕事で強いストレスを受けている方にとっては、セミリタイアはストレス軽減の良い機会となるでしょう。日々の売上を気にする必要もありませんし、従業員の雇用の心配をする必要もありません。オーナー経営者のような、雇用を抱えて事業を拡大する緊張感の高い仕事をしている人なら、ストレスからの解放を強く感じるでしょう。

 

デメリット1.経済的な不安が生じる

セミリタイアをすると、家賃収入や役員収入などで安定した収入が保証されている場合を除き、収入が減り経済的な不安を感じることでしょう。また、すでに退職金を受け取っているため、将来的に大きな収入が入る予定もなくなり、漠然とした不安を感じるかもしれません。経済的に困ることがないように、かならず預貯金や収入源を準備してからセミリタイア生活に入りましょう。

デメリット2.社会的なつながりが減る

本業を辞めることで、仕事でつながっていた人々との縁が切れてしまうことがあります。周りは仕事をしているので、個人的な友人とも話が合いにくくなり、いつの間にか疎遠になってしまうかもしれません。

社会的なつながりは生きていく上で必要不可欠な要素です。家族との時間を増やしたり、外での仕事を続けたりすることで社会的つながりを維持することができます。セミリタイア後も、積極的に人と関わり続けるようにしましょう。

 

セミリタイア前にぜひご相談ください

セミリタイアを考えている方は、M&Aも視野に入れてみてはいかがでしょうか。M&Aにより事業や株式の売却で得た資金でセミリタイヤを検討される経営者や、一度休んで人生を考え直すためにM&Aする経営者も少なくありません。M&Aをうまく活用することで、新たな仕事やそれ以外のプライベートの計画を練り直すこともできるでしょう。セミリタイア前に、ぜひお気軽にご相談ください。

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