シナジー(synergy)の意味とは?をシナジーで期待される効果や種類について詳しく解説

シナジー(synergy)とは、いくつかのものが相互に作用し合うことで本来以上の価値を生み出すという意味の言葉です。相乗効果や相乗作用と訳されることがあります。ビジネスにおいてはどんな種類があるのか、またどのような効果を期待できるのか、具体的に見ていきましょう。

シナジー(synergy)とは何か?

シナジーとは、元々は生理学などの科学・医学系分野で使われていた用語で、いくつかの薬品や反応、組織などが相互に連携することで相乗効果を生むことを指します。しかし、現在では経済学などでも用いられることが多く、さまざまな分野における相乗作用、つまり、1+1が2よりも大きくなることをシナジーと表現することが少なくありません。

シナジー効果とは?

シナジーによって生み出されるものはシナジー効果です。シナジーを相乗作用とすれば、シナジー効果は相乗効果と訳することができるでしょう。

シナジー効果は、お互いにとってポジティブな結果が生まれていることが前提となります。例えばA社とB社が連携することで、双方の利益が増大するならばシナジー効果が生まれていると考えられるでしょう。しかし、A社には利益増が見られたもののB社は変化がない場合、あるいはA社もB社も利益が増えない場合、減収減益が見られた場合などはシナジー効果が起こっているとは判断しません。

アナジー効果とは?

2つ以上のものが作用しても、必ずしも良い結果が生まれるとは限りません。作用して収益が落ちることになったり、作用はしているものの収益に変化がなかったりする場合もあるでしょう。

アナジー効果とは、2つ以上のものが作用してマイナスの結果を生み出すことを指します。例えばA社とB社が協力して業務を行ったものの、それぞれが別個に業務をしているときよりも少ない利益しか生まないのであればアナジー効果が起こっていると考えられるでしょう。

シナジー効果の3つの種類

ビジネスにおいて「シナジー効果」について語る場合、主には以下を指すことが一般的です。

  1. 財務シナジー効果
  2. 事業シナジー効果
  3. 組織シナジー効果

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1.財務シナジー効果

2つ以上のものが作用することで、資金面あるいは税金面でプラスの効果を得られることを「財務シナジー効果」と呼びます。例えば買手に余剰資金がある場合、そのまま放置しておくことは企業にとって有意義とはいえませんが、他の企業や事業の買収に活用するならば、利益を生み出し、将来的には何倍ものプラスになるかもしれません。

また、売却側からの観点でも例えば潤沢な資金を持つ大手の傘下に入った場合などは、財務面での改善が期待されます。

2.事業シナジー効果

2つ以上のものが作用することで事業が推進することを「事業シナジー効果」と呼びます。例えば2社間の顧客が異なる場合には、それぞれの顧客に自社商品を展開することで事業領域の拡大が見込めます。逆に顧客は同一でも、両社の商品を合わせることで新たなサービスが展開出来る場合もあります。また、仕入れや物流なども一括化することで余分な動力が省け、コストダウンしやすくなります。製造業であれば2つ以上の企業が統合して生産量が増えることで、1製品を生み出すまでにかかるコストが大幅に減ることもあるでしょう。

その他にも、人材による事業シナジー効果があります。例えばA社の優秀な人材はA社の社員にプラスの影響を与えますが、B社、C社と合併・統合することでB社、C社にもプラスの影響を与えるかもしれません。直接、優秀な人材からスキルやノウハウを学んだり、働く姿勢などを真似して業務効率が向上したりといった効果も期待できるでしょう。

3.組織シナジー効果

2つ以上のものが作用することで、組織の生産性が向上することを「組織シナジー効果」と呼びます。例えば、経理業務などのを一括でおこなうことで、コスト面でのメリットが生まれるかもしませんし、お互いの制度、指標管理の手法、などバックオフィスでの良い部分を掛け合わせることで、業務効率や従業員のモチベーション改善が見込まれるかもしれません。

 

シナジー効果によって期待される5つの効果

シナジー効果が生まれることで、ビジネス上でさまざまな効果が期待できます。例えばビジネスに欠かせない、次の5つの効果が期待できるかもしれません。

  1. 販路の拡大
  2. ノウハウの共有
  3. コストの削減
  4. 競争力の向上
  5. 企業価値の増大

1.販路の拡大

販路を拡大することは容易ではありません。地道な営業を積み重ねて得意先を増やしたり、多大な資金を投入して支店を開いたりすることが求められます。

しかし、合併や統合などを行えば、相手企業の得意先も自社の得意先になり、即座に支店や営業所も自社の施設として活用することが可能です。得意先や販売拠点の増加は、ダイレクトに利益の増加を生むでしょう。

2.ノウハウの共有

通常であれば、何度も試行錯誤を繰り返してノウハウを積み重ねていきますが、2社以上が協力すればお互いのノウハウを共有し、即座に専門的な知識やスキルが活用できるようになります。また、特殊なスキルなどを有する社員も共有することになるため、ノウハウを学ぶ機会を設けなくてもすぐさま業務に活かされるというメリットもあるでしょう。

3.コストの削減

2つ以上の事業や企業が協力することで、コストを削減することができます。例えばメーカーであれば、商品を製造する工場や販売所を保有するコスト、工場から販売所に輸送するコスト、宣伝するコスト、製造スタッフや販売員などの人件費などがそれぞれの事業・企業でかかるでしょう。

しかし、事業や企業が協力すれば、それぞれのコストを半減することができるため、収益率の向上を期待できます。

4.競争力の向上

2つ以上の企業が統合して業界内シェアを上げることにより、競争力の向上が実現することもあります。お互いの長所を活かすことで、同業他社よりも魅力ある商品やサービスを開発し、業界に大きなインパクトを与えられるかもしれません。

また、販路の拡大やコストの削減なども追い風となり、業界内トップシェアの地位獲得も期待できます。

5.企業価値の増大

販路の拡大もノウハウの共有、コストの削減などはいずれも企業価値の増大につながります。また、2つ以上の上場企業が協力することでシェアが拡大し知名度も上昇すれば、株価上昇も期待できるでしょう。

知名度や業界内シェアの向上は、優秀な人材の確保にもつながります。優秀な人材によりさらなる企業価値の増大、収益率の向上も見込めるでしょう。また、企業価値が増大すると資金調達しやすくなり、さらなる事業規模の拡大や収益率の向上、利益の増大を期待できます。

事業譲渡・株式譲渡についてご検討の際はぜひご相談ください

2つ以上の企業や事業が協力することで、シナジー効果を生み出すことがあります。M&Aはその最たる手法であるといえます。自社で財務基盤を強化する、事業領域を拡大する、組織面での改善を図る、ということも出来ますが、相当なコストと時間を要します。他者のアセットやビジネスモデルをそのまま獲得する、M&Aではコストはかかりますが、時間は数か月で得ることができます。

人材面での採用、マネジメントなどで労力を割いていて、不安を抱える企業が名のある大手の傘下に入ることで、改善するケースなどもあります。

事業譲渡や株式譲渡をご検討の際は、ぜひ弊社にご相談ください。相手企業のご紹介から具体的な手続きまで、ワンストップにサポートしてまいります。相談料も着手金も不要で承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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