レーマン方式とは~同じレーマン方式でも報酬は変わる!?~

M&Aの成果報酬のメジャーな手法としてレーマン方式というものが存在します。

多くのM&A仲介会社、M&Aアドバイザリー会社が導入しているため非常に一般的なやり方ではあるのですが、実はレーマン方式を導入していてもM&A仲介会社、M&Aアドバイザリー会社によって報酬額は大きく異なるのです。

どういうことでしょうか?
ここでは、レーマン方式の内容とその算出基準についてご説明いたします。

■レーマン方式とは

レーマン方式という名前は、ドイツの経営学者のレーマン博士に由来するもので、レーマン博士の学説を応用した方式からその名がついているようです。

具体的には、以下のように、取引額に応じた料率のテーブルが設定されており、それぞれのテーブルにあたる金額に手数料を掛け合わせ、各テーブルごとに算出された手数料を足し上げて計算します。

取引金額

手数料率

     ①  5億円以下の部分

5%

     ②  5億円超10億円以下の部分

4%

     ③  10億円超50億円以下の部分

3%

     ④   50億円超100億円以下の部分

2%

     ⑤  100億円超の部分

1%

ちょっとややこしいので、例をあげますと、

たとえば、取引額が、16億円だった場合・・・

①5億円以下の部分       → 5億円×5%=2500万円

②5億円超10憶円以下の部分  → 5億円×4%=2000万円

③10億円超50億円以下の部分 → 6億円×3%=1800万円

となるので、2500万円+2000万円+1800万円=6300万円、という計算になります。

16億円という取引額をそのまま③のテーブルに当てはめて16億円×3%=4800万と計算するわけではなく、全体の金額を一度テーブルごとに分けて、それぞれの料率でかけて、足し上げる、という手順になります。

 

■取引額についての考え方

レーマン方式の算出の基準となる取引金額ですが、これが実は会社によって異なるのです。

具体的には①「株式譲渡対価」か②「移動総資産」とすることが多いようですが、③「企業価値」というケースもあり、契約内容については注意と確認が必要です。

それぞれで取引価格はどう定義され、その結果成功報酬にどれくらいの差が生じるか以下にみてみましょう。

総資産6億円
-負債額4億円(買掛金2億円、銀行借入金2億円)
-純資産2億円 の会社が、
株価5億円 で売れた場合、についてみてみます。

①「株式譲渡価格」のケース

取引額は株式譲渡価格となるので、「5億円」になります。
レーマン方式でいえば5億円以下の5%が適用され、成功報酬は2500万円となります。

 

②「移動総資産」のケース

移動総資産は「株式価格+負債総額」で算出されます。
株式価格は5億円、これに負債総額の4億円が加算されますから、取引額は9億円と定義されます。

そのため、レーマン方式の計算でも、
5億円×5%=2500万円と、4億円×4%=1600万円、を足し、成功報酬は4100万円となります。

 

この2つが多いケースではありますが、この2つの差は成功報酬で1600万円となります。
同じレーマン方式を導入している会社でも、その算出の元となる取引額の定義によって、これほどまでに大きな違いがありますので、十分に吟味が必要です。

また、上記2つの他にも以下のようなケースもありますので紹介いたします。

③「企業価値」のケース

企業価値を基準とする場合は、取引額は「株式価格+有利子負債」で算出されます。

この場合では、株式価格5億円に、銀行借入金2億円を足すので、取引額は7億円と定義されます。

この場合は、レーマン方式では、5億円×5%=2500万円に、2億円×4%=800万円を加えて、3300万円と算出されます。

 

■最後に

【総資産6億円】
-負債額4億円(買掛金2億円、銀行借入金2億円)
-純資産2億円 の会社が、

【株価5億円】

で売れた場合、で、レーマン方式での報酬算出でも、取引額の定義によって、

「株式譲渡価格」2500万円
「移動総資産」 4100万円
「企業価値」  3300万円

と、報酬額に大きな違いが発生することをみてきました。

どの場合に自社が有利に働くのかも含め見極め、適切なパートナーを選ぶことが必要です。
また、成功報酬だけでなく、着手金や中間金など、会社によって別途定めている項目もありますので、全体の費用を把握するためには必ずM&A仲介会社、M&Aアドバイザリー会社に確認しましょう。

↓↓↓M&Aにかかる費用についてはこちらの記事に記載してますのでご参照ください↓↓↓

執筆/事業承継通信社 柳 隆之

関連記事はこちら