太陽光発電の買取価格は今後どうなる?期間終了後に取るべき対応も解説

太陽光発電の買取価格は年々減少しています。今後はどのような推移が予想されるのかについて見ていきましょう。また、買取はそもそも10年あるいは20年を期限として定められていますが、期間終了後はどのように対応できるのかについても解説します。

太陽光発電買取価格の推移について

太陽光発電システムを導入している場合は、発電規模によって定められた単価で電力を買い取ってもらうことができます。この仕組みを売電(ばいでん)と言いますが、10年間の買取価格の推移は以下の通りです。

年度\設備容量

10kWh未満

10kWh以上50kWh未満

50kWh以上250kWh未満

250kWh以上

2022年

17円(税込)

11円(税抜)

10円(税抜)

入札により決定

2021年

19円(税込)

12円(税抜)

11円(税抜)

入札により決定

2020年

21円(税込)

13円(税抜)

12円(税抜)

入札により決定

2019年

24-26円(税込)

500kWhまでは14円(税抜)

2018年

25-28円(税込)

2000kWhまでは18円(税抜)

2017年

25-30円(税込)

2000kWhまでは21円(税抜)

2016年

25-31円(税込)

24円(税抜)

2015年

27-35円(税込)

27-29円(税抜)

2014年

30-37円(税込)

32円(税抜)

2013年

31-38円(税込)

36円(税抜)

2012年

34-42円(税込)

40円(税抜)

今後も引き下げが予想される

推移を見ると分かりますが、電力の買取価格は年々減っています。今後も継続的な引き下げが予想されるため、太陽光発電による売電を計画している場合は、極力早めに取り組むほうがよいでしょう。

 

太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)とは?

太陽光発電システムを導入すると、発電した電力のうち余剰電力を電力会社が買い取ります。このときの買取価格に固定価格が適用される制度が「固定価格買取制度(FIT)」です。価格は国で一律に定められているため、どの電力会社に売却した場合でも、導入した設備の容量と売却した電力量に従って同額を受け取ることができます。

買取が保証されているのは10年間のみ

ただし、FITは恒久的に続く制度ではありません。導入した太陽光発電システムの設備容量が10kWh未満であれば買取期間の上限は10年、10kWh以上であれば20年となります。

なお、家庭用の太陽光発電システムのほとんどは設備容量が10kWh未満です。10kWh未満の場合は、買取期間が短いものの買取価格の単価は高く設定されています。一方、太陽光発電による売電を事業として行われる場合は、10kWh以上の設備容量が大きい太陽光発電システムが導入されることが一般的です。この場合は買取価格の単価は低いものの買取期間が長く設定されています。

FIT後はどうする?

太陽光発電システムの固定価格買取制度は2009年に始まったため、2019年からは固定価格以外で売電している家庭も少なくありません。固定価格買取制度が終了すると、国による補助がなくなるため、買取価格は国が定めた金額と異なることがあります。

現在の電力会社と新たな契約を結ぶ

FIT終了後も余剰電力の売却を希望する場合には、現在売電契約を結んでいる電力会社と新たに売電契約を結ぶことが必要です。ただし、FIT中は国から補助金が支給されていたため高額による買取が実現していましたが、FIT後は補助金がなくなるので市場価格に即した価格となります。買取価格の単価が下がるため、売電による利益も減ると予想されるでしょう。

条件の良い電力会社と契約を結ぶ

FIT終了に伴い、別の電力会社と売電契約を結ぶことも可能です。電力会社によって買取価格が異なるので、もっとも条件が良いと思われる電力会社を選び、売電契約を結ぶことも検討しましょう。

契約を結んでいないと無償送電の可能性も

10年あるいは20年の買取期間中は、法律により電力会社は売電契約を結んだ家庭や事業所から余剰電力を買い取ることを義務付けられています。しかし、FIT終了後は買取義務がなくなるため、電力会社は売電契約を介助する可能性もあるでしょう。

また、どの電力会社とも契約を結ばずにいる場合、余剰電力は電力会社に無償で送電される可能性もあるので注意が必要です。

蓄電システムの導入で自家消費

FIT後は電力の買取単価が低くなるだけでなく、場合によっては無償送電される可能性もあります。そこで、電力の売却にこだわるのではなく、自家消費に目を向けてみてはいかがでしょうか。

例えば現在、日中は余剰電力が生じるので電力会社に電気を買い取ってもらっていても、夜間は大量に電力を消費するので、トータルで見れば電気代を支払っているというケースが多いです。しかし、蓄電システムを導入すれば、日中に発電しすぎた余剰電力を蓄え、夜間に自家消費することができます。電気代を抑えることにつながるので、売電できなくてもダメージは少ないでしょう。

また、まだFITが終了していない場合でも、今後ますます電力の買取価格が下がることを考えれば、早めに蓄電システムを導入して自家消費できる仕組みを構築しておくことは必要と考えられます。

 

今から太陽光発電を導入する意義

電力の買取価格が年々下がっているため、FITが誕生したときよりも売電による収益性は下がっていると考えられます。しかし、今からでも太陽光発電システムを導入することは無駄ではありません。特に次の3点において、太陽光発電システムを導入することは有意義といえます。

  • 地球環境に優しいエネルギーを生み出せる
  • 電気代を削減できる
  • 売電による収入も期待できる

地球環境に優しいエネルギーを生み出せる

太陽光によって電力を生み出す際には、二酸化炭素は排出されません。また、太陽光は有限資源ではないため、どんなに利用しても地球資源を減らすことにはならないでしょう。

つまり、太陽光発電システムを導入することは、地球環境に優しいエネルギーを生み出すことです。美しい地球を次の世代に引き継ぐためにも、太陽光発電を利用することは有意義なことといえるでしょう。

電気代を削減できる

太陽光発電システムを導入することで、電力会社から購入する電気量が減り、電気代を削減することが可能です。また、蓄電システムも導入すれば、夜間も自家発電した電気を利用できるため、さらに電気代を削減できるでしょう。

蓄電システムを導入していない場合でも、リモートワークなどで日中に使用する電力が増えている場合は電気代の大幅な削減につながります。電気の買取価格が下がっても、余剰電力を出さずに自家消費するならば経済的なダメージはほとんどありません。

売電による収入も期待できる

10年、20年の買取期間が終了しても、売電できるシステム自体がなくなるわけではありません。電力会社とは新たに契約を結ぶ必要はありますが、余剰電力を売却して収入を得ることも可能です。

 

M&Aについてぜひご相談ください

太陽光発電システムを導入して、売電による収益を期待することは可能です。しかし、年々買取価格が下がってきているため、従来と比べると高利益は期待できないでしょう。

事業の収益性にお悩みがあるときは、ぜひ弊社にご相談ください。御社の状況やご希望に合わせて最適な解決法をご提案いたします。

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