人手不足はなぜ起こる?考えられる原因と5つの解決策について詳しく解説
少子高齢化が進んでいること、また、人気のある業種・地域に偏りがあることにより、人手不足に悩まされている企業が多数あります。特にどのような業界で人手不足が深刻なのか、どうすれば解決できるのかについて見ていきましょう。
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人手不足が起こる理由
サービスのニーズが多様化し、労働力を求める企業は多数あります。しかし、多くの企業では人手不足が起こり、十分な人数の労働力を確保できていないのが現状です。
日本銀行の調査によれば2013年以降、企業規模にかかわらず多くの企業で必要な人員より雇用人員が下回っています。実際に何らかの人手不足を緩和する対策に取り組む企業も多く、全体の約86%の企業が何らかの人材不足緩和策を実施しているようです。
少子高齢化
人手不足が起こる理由のひとつとして、少子高齢化を挙げることができます。日本では年々全人口における高齢者(満65歳以上)の割合が増えており、2025年には30%、2060年には40%になると考えられています。
また出生率も低いため、労働力となる人口は今後も減少していくでしょう。「高齢者が労働に参加する」「海外からの雇用を促進する」などの対策も検討する必要が生じているのです。
就職を希望する業種や地域の偏り
人手不足とはいうものの、当然のことながらすべての業種において人手が足りていないわけではありません。例えば事務職においての人手不足はそこまで深刻な状態ではありません。しかし、エンジニアなどの技術職や製造業、建設業、運送業、介護関係などにおいては慢性的な人手不足が見られています。
また、地域によっても人手不足の状況が異なるという点にも注目できるでしょう。例えば東京や大阪、愛知を中心とする3大都市圏と比べると、その他の地域において人手不足がより一層深刻な状況が見られています。
人手不足が深刻な業界とは?
多くの業界において人手不足が見られていますが、その中でも特に深刻な業界として次の3つが挙げられます。ではなぜ人手不足が深刻なのか、またどうして解消しづらい状態にあるのかについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
- 建設業界
- 教育業界
- 情報サービス業界
建設業界
建設業界では、深刻な従業員不足が見られています。その理由としては、建設業の仕事がいわゆる3K(きつい・汚い・危険)のイメージがあることが挙げられるでしょう。重いものを持って高い場所で作業をしたり、仮設トイレを使わなくてはいけなかったりすることは、慣れていない人から見れば、決して快適な作業環境とはいえません。
実際に業務がきつく、短期間で離職する人も多いようです。そのため常に募集中の状態にある企業も多く、慢性的な人手不足に悩まされている状態が続いています。
日給制を採用している企業が多いことも、人手不足と無関係ではありません。天候に左右されて長期間収入が得られなかったり、工期に間に合わせるために残業が続いたりと不安定な状況になりがちなため、労働者から敬遠されることがあります。
教育業界
少子化の影響もあり、子ども一人あたりの教育費は増加傾向にあります。それに伴い学習塾などの教育産業へのニーズも増えていますが、対応する人材が追いつかず、人手不足の現場も少なくありません。
また、人材に求められている要求が高すぎて、人手不足になっている現場もあります。高学歴かつ教え方が上手となると、ある程度人材が絞られてしまうため、雇用がなかなか進みません。
情報サービス業界
今後ますますニーズが高まると予想される情報サービス業ですが、人材不足が顕著な業界でもあります。技術の進歩が早く、新しい技術に対応できるエンジニアが少ないことも、人材不足を加速させる原因といえるでしょう。
また、人材を確保したとしても、報酬や待遇が整っていない企業が多く、短期間で流出してしまうケースも珍しくありません。
人手不足を解消する5つの方法
人材不足を解消するためには、各企業で雇用問題に対応する部署をつくるなど積極的に対策を講じる必要があります。しかし、ただでさえ人材不足の状況で、雇用問題のための貴重な人員を割くことはできないという企業も多いのではないでしょうか。
人手不足の解消につながりうる方法を5つ紹介します。理想を描くことと実現することは別のものになるので簡単なものではありませんが、参考までに紹介いたします。
- 労働環境の見直し
- 労働条件の見直し
- IT化の推進
- アウトソーシングの利用
- 業務手順の効率化
1.労働環境の見直し
従業員にとって働きやすい環境なのか、今一度見直すことも重要です。常日頃から働きやすい環境を心掛けている、と思われるかもしれませんが、時代の変化により求められるものも異なるため、意外と改善点はあったりするものです。たとえば、介護や育児などで仕事との両立が難しい人にも働いてもらうために、リモートワークに対応することができるかもしれません。
業務的に許される業務とそうでないものに分かれますが、通勤がなくなることで各自の時間に余裕が生まれ、身体的かつ精神的なストレスも軽減されるでしょう。また、残業が出ないように業務の割り振りについても工夫できます。
2.労働条件の見直し
こちらもいうほど簡単なものではありませんが、労働条件の見直しも必要です。給与条件が、労働対価として以前は見合っていたものでも、周囲の相場が上がっていたりするために総体的に低く見えることもあります。特に人手不足の今日ではその傾向は強くなっています。
また、給与以外の、資格取得補助制度などスキルアップに役立つ制度の導入などでも、魅力的な職場へと変わっていくことができます。
3.IT化の推進
経理や事務作業など、IT技術によって自動化が可能な作業については、自動化システムの導入も検討してみましょう。初期費用はかかりますが、毎月かかる人件費とは異なり維持費が低いため、長期的に見ればプラスになることもあります。
また、事務作業を担当するスタッフの雇用問題が解消されることや計算ミスがなくなることもメリットです。
4.アウトソーシングの利用
不定期に必要となる業務や専門性が高い業務などに関しては、アウトソーシングサービスを活用することも人手不足を解消する方法のひとつです。
アウトソーシングを利用すると、スポット的に報酬が発生します。そのため、クライアントからの依頼が殺到したときや突発的に業務が増えたときだけに利用すれば、業務が少ないときは報酬が発生せず、無駄な人件費を減らすことにもつながるでしょう。
5.業務手順の効率化
業務手順に問題があり、必要以上に人手不足になっている可能性があります。一度、社内のすべての業務に関して手順と作業内容を洗い出してみましょう。
不必要な工程や二重になっている工程、あるいは作業順序の問題などが見つかるかもしれません。業務内容と手順を効率化することで、現在の人員だけでも十分に対応できることがあります。
M&Aをご検討の方はぜひご相談ください
中小企業では特にこの人手不足は非常に大きな問題です。人手が少ないなかでさらに採用を強化するというのは労力もかかり、大きな負担となります。こうした採用や人材のマネジメントに疲弊する経営者も多くいらっしゃいます。
株式の全部もしくは一部の売却により大手と提携したり、傘下に入ることで人材不足を解消することができます。
このようにM&Aが解決策になることもあります。根本的な解決を目指している方は、ぜひ弊社にご相談ください。弊社では相談料や着手金は一切不要で、お客様のM&Aをサポートしています。メールや電話でもご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。