経営者のアーリーリタイヤとは?メリット・デメリットと事前準備を紹介

「早めにリタイヤして趣味に生きたい」という方も多いでしょう。早期に仕事を引退することを「アーリーリタイヤ」といいますが、経営者がアーリーリタイヤすることにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。また、後悔のないアーリーリタイヤを実現するために準備できることについても紹介します。

 

経営者がアーリーリタイヤするメリット

予定よりも早めにリタイヤすることを「アーリーリタイヤ」や「早期リタイヤ」と呼びます。

同じ意味で「セミリタイヤ」という言葉が使われることもありますが、セミリタイヤには「本業はリタイヤしたものの副業は続けている」もしくは「仕事量を大幅に減らして、趣味程度にアルバイトや副業などで稼いでいる」というニュアンスがあるため、アーリーリタイヤとは別の言葉として使用されることも少なくありません。

いずれにしても仕事量が大幅に減るため、生活に大きな変化が生まれます。経営者がアーリーリタイヤするメリットとしては、次の3つを挙げられるでしょう。

 

メリット1. 趣味を楽しむ時間が増える

平日は仕事が忙しすぎて趣味を楽しむ時間がなく、休日は疲れていて趣味を楽しむどころではないという方も多いのではないでしょうか。アーリーリタイヤをすれば、仕事や休息の時間を自由に使うことができ、趣味の時間も大幅に増やすことができます。

また「旅行に行きたいけれどまとまった休みが取れない」という方にも、アーリーリタイヤはおすすめです。土日や大型連休などは人で混み合うような場所でも、アーリーリタイヤをしているならば平日に遊びに行けます。「混雑知らず」「渋滞知らず」で楽しめます。

 

メリット2. 若く健康な時間を楽しめる

高齢になってからリタイヤしても趣味を楽しむことは可能です。しかし、高齢になればなるほど体力は衰え病気にもかかりやすくなるため、思うように楽しめないという可能性があります。「退職してこれから楽しもうとしていた矢先、重篤な病気であることが検査で分かって…」というようなケースも珍しいことではありません。

若く健康なうちにリタイヤすれば、体力・気力も充実しているのでより積極的に趣味活動を楽しむことができます。20代、30代とひたすら仕事に駆け抜けた方も、アーリーリタイヤをすることで家族と触れ合う時間を取り戻せるでしょう。

 

メリット3. 仕事のストレスから解放される

仕事によるストレスが大きい方の場合、アーリーリタイヤをすることでストレスから解放され、気楽に生きられるようになります。ストレスから解放されると、また新たな気力やアイデアが湧いてくるかもしれません。

 

経営者がアーリーリタイヤするデメリット

時間的に余裕のある生活を楽しみたい経営者には、アーリーリタイヤはおすすめです。しかし、アーリーリタイヤによってデメリットが生じることもあります。特に次の3点についてはアーリーリタイヤする前に確認しておきましょう。

 

デメリット1. 収入が減る可能性がある

アーリーリタイヤをすると、仕事の対価として得ていた収入が途絶える可能性があります。事業売却や会社売却をしてからアーリーリタイヤをする場合はまとまった資金を手にすることになりますが、今後は収入を見込めないという点に不安を感じるかもしれません。

また、すでに十分な蓄えがある場合も経済的に問題はないと考えられますが、これからの収入がないという点に気がかりを覚えることがあるでしょう。収入が不安なとき、また売却資金や預貯金が十分といえないときは、配当金や不動産などで定期的に収入を得られる仕組みづくりをしておくことをおすすめします。

 

デメリット2. 社会的なつながりが減る

リタイヤして仕事上の関係を断つと、社会的なつながりが減ってしまうことになります。今まで構築したつながりを維持したい場合は、理事や顧問などの経営には直接関わらない役職で仕事と関わり続けることができるでしょう。

 

デメリット3. 社会的信用が減ることがある

銀行等から融資を受ける際には、勤務先について記載しなくてはいけません。アーリーリタイヤをして勤務先がなくなっている場合には、融資審査に通りにくくなる可能性もあります。

また、賃貸住宅を借りるときやクレジットカードを発行するときなどにも審査があり、勤務先についての情報が必要です。場合によっては審査に不利になり、賃貸やクレジットカード発行ができなくなる可能性もあります。

 

アーリーリタイヤする前に準備すること

アーリーリタイヤで起こり得るデメリットは、いずれも事前準備で解決することが可能です。アーリーリタイヤする前に準備しておきたいことを4つ紹介します。

 

毎日の生活費

アーリーリタイヤによって収入が減ることが分かっている場合は、毎日の生活費をどうするか、どの程度かかるのか綿密に計画を立てる必要があります。

アーリーリタイヤする時期が早ければ早いほど、働かない時間が長くなるため、多額の資金を用意しておく必要があるでしょう。

事業売却等でリタイヤ時にまとまった資金を受け取る場合は、早期に全額失ってしまうというようなことがないよう、現実的な数字で毎月の予算を立てておきます。

 

教育費や住宅資金等のまとまった資金

生活費は問題なくても、まとまった資金には対応できなくなるかもしれません。

勤務先がなくなると金融機関から融資を受けにくくなる可能性がありますので、まとまった資金を現金資産として保有しておくか、会社に名前を残してコンスタントに収入を得られるようにしておくかなど、何らかの対策を立てておくことができるでしょう。

とりわけ今後住宅を購入する予定がある場合や、子供の教育に高額資金がかかる可能性がある場合は、まとまった資金の調達方法についても綿密に考えておく必要があります。

 

会社や従業員の今後について

経営者として責任がありますので、「今日から仕事を辞める。解散!」というわけにはいきません。会社はどうするのか、従業員はどうするのか考えておく必要があります。廃業する場合は従業員の再就職先についてもできる限り紹介するようにしましょう。

会社を継続する場合は、誰に事業継承をするのかについて考える必要があります。自分だけでなく関係者皆が納得できる形を模索していきましょう。

 

相続や贈与について

相続税は原則として現金で納付するため、保有資産の多くが会社の株式である場合は支払いが困難になる可能性があります。資産を受け継ぐ子供等が十分な支払い能力を持っている場合には相続税や贈与税の準備をしておく必要はありませんが、そうではないときには現金や換金性のある不動産等で資産を保有することも検討しておきましょう。

 

経営者がアーリーリタイヤする際にM&Aを検討する理由

経営者のアーリーリタイヤに伴い廃業するということも検討できますが、事業売却や会社売却などのM&Aをすることで大きなメリットが享受できます。M&Aを実施することで従業員の生活を後継者に引き継ぐこともでき、何よりも売却の対価を得られるメリットがあります。

毎年の報酬だけでは手に入れづらい多くの金額を一度に手に入れるチャンスでもありますし、株式売却の場合には報酬よりも税率が低いケースが多く、手残りも多くあります。

実際に、健康上の不安という将来的な理由や、単純に事業に飽きたという理由など、様々な理由でアーリーリタイヤをする経営者がいますが、多くは株式売却によってリタイヤ後の財産を作っています。

また、会社売却ではなく事業売却の場合には、会社の経営権や一部の事業を残せるので、休眠しておきながら、いずれ事業を再開するということもできます。

アーリーリタイヤ後の生活はそれぞれになりますから、ご自身の希望やイメージを整理することをおススメいたします。

 

M&A仲介業者に相談してみよう

アーリーリタイヤ後の資金を得るためにも、M&Aは有効な手段です。M&A仲介業者では売却先の紹介から売却の手続きまでワンストップのサポートを提供しているので、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

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