
【M&A事例】人材派遣・紹介事業「オール・フォア沖縄」創業社長 楠本歩氏 インタビュー
▼本記事はこちらのインタビュー動画を書き起こしたものです。
ー起業までの経緯をお聞かせください。
前職のリクルート時代、2013年に転勤で沖縄に来ました。その時から「このまま沖縄で起業するんだ」と周囲に話していたのですが、たった1年で東京に戻されることになりまして(笑)。
ただ、それが大きな契機になりました。東京に戻った際、リクルート時代の元上司の紹介で、人事評価制度サービスを提供する「あしたのチーム」の創業者と知り合いました。「この会社は面白いことをやっているな」と思い、新橋の居酒屋で彼に「実は来年リクルートを卒業して沖縄で起業するつもりなんです」と話をしました。
すると彼から「うちは先月、沖縄進出を諦めたばかりなんですよ。だったら一緒にやりませんか?」と提案をいただきまして。 そこからトントン拍子に進み、2015年7月1日、沖縄の同じビルの同じフロアを借りて同時に創業することになりました。
ー創業後の事業の推移や苦労はありましたか?
派遣事業をスタートしても、最初はなかなか稼働人数が増えず苦労しました。派遣はある一定の人数がいないと、入れ替わりですぐに減ってしまうので、最初の壁を超えるのが大変でしたね。
その後、コロナ前くらいにはトレンドに乗ってきて、四半期ごとに20%ずつ成長するという状況を作れていました。毎年倍々で伸びていくペースだったのですが、2020年のコロナ禍で一気にスピードダウンしてしまいました。やはりコロナは一つの大きな分岐点になりましたね。
ー事業承継(M&A)を検討し始めたきっかけは?
会社は「我が子」みたいなものですから、ずっと自分でやっていくのか、誰かに引き継ぐのかという問題があります。私には子供がいませんので、社員に引き継ぐことも考えましたが、なかなか経営を任せられる人材を育てきれなかったという反省がありました。
また、会社の成長が鈍化し始めた時に、ノウハウや力のある会社と一緒になった方が良いのではないか、と考え始めたのがここ2、3年です。
ー事業承継通信社(仲介)の印象をお聞かせください。
重要だった点は2つあります。
1つは「誠実な対応」です。
M&A仲介は買い手寄りのスタンスを取るところが多いと聞きますが、担当者の方は売り手と買い手の両方を対等・平等に扱ってくれました。今回候補に名乗りを上げてくださった経営者の方も「非常に誠実に対応されている」とおっしゃっていました。
もう1つは「手数料」です。
大手仲介会社は最低手数料が高額ですが、今回はそこも良心的でした。 誠実な対応と手数料、この2点で本当にお願いして良かったと心から思っています。
ーお相手(譲渡先)についての印象は?
「オール・フォア沖縄」という社名には、「すべては沖縄県をさらに元気にするために」という想いが込められています。この想いを継承し、私が成し遂げられなかったことを実現していただけるだけの想いと能力を持った会社に譲渡できました。そこはすごく良かったと思っています。
ー今後の活動について教えてください。
人事評価制度の導入支援を通じて多くのお客様に関わらせていただく中で、沖縄県以外にも価値を提供していきたいという想いが強くなりました。 そこで今回、横浜に新会社「株式会社エキップエオール」を設立しました。
フランス語で「エキップ」は組織・チーム、「エオール」は飛躍という意味があります。「組織・チームを飛躍させる」会社として、沖縄県内外の企業様に人事評価制度の構築だけでなく、一番重要な「運用」の伴走支援をしていきたいと考えています。今後はこの新会社に力を入れていきます。
ー最後に、経営者の方へメッセージをお願いします。
事業承継には「組織承継」の難しさがあります。カリスマ性のある創業社長の「鶴の一声」で動いていた組織を、次の世代に引き継ぐには仕組み化が必要です。
また、社外へ承継する場合、大切な会社、社員、お客様を誰に託すのかは非常に悩ましい問題です。 会社は自分にとって「我が子」のようなものですから、その我が子を託すに値すると確信できる相手が見つかるまでは、妥協せずに探すべきだと思います。
信頼できるパートナー(仲介会社)を見つけ、そのパートナーと共に、5年後、10年後も「この承継で良かった」と思い続けられるような事業承継を実現していただきたいですね。[00:08:14]

































