
【M&A事例】レンタカー事業「エクシオ」元代表取締役社長の原健祐氏 インタビュー
▼本記事はこちらのインタビュー動画を書き起こしたものです。
ーはじめにレンタカー事業を始めたきっかけを教えてください。
以前は不動産投資をしてたんですけども、ある時その不動産を買い進めていく中で、どんどん物件価格が高騰していって、もう買えなくなってきたんですね。手詰まり感が出てきて。
それに代わる、不動産に代わる「ストック型のビジネス」がないかなって探していた時に、ぱっと横を向いたら、車を貸すっていうビジネスがあって。
今までワンルームマンションを1棟買って、1部屋がだいたい今の1000万円ぐらい。それで、1部屋貸すのに例えば3万、4万。1000万円の経費で、やっと3万、4万なんです。
それがレンタカーになると、3万、4万円のレンタル料をいただくのに、その車は20万、30万円で買えるっていうことに気づいて。これはすごいなと。利回りで考えたら。
貸すものが車になっただけなんですけど。同じレンタル料を始めたという感じですね。
ーFC加盟店オーナーとして、どのような苦労がありましたか。
加盟した時に、すぐ100台いきますよっていうことを本部の方から言われたので、それをそのまま真に受けて、「分かりました、じゃあ100台買いますんでよろしくお願いします」って言ったら、本部の方もちょっとびっくりしちゃって。「100台ですか」みたいな感じで言われたんですけど、100台購入したんですよ。
そしたら、その購入した車があまりに故障だらけで、貸したらすぐ電話かかってきて、「すみません、壊れたんだけど…」って言って、「分かりました、じゃあ入れ替えます」。そしたらまた、「その車壊れたんだけど」っていうのを延々とずっと繰り返して、1年ぐらいそれでかなり疲弊しちゃいましたね。
元々髪黒かったんですけど、1年で真っ白になりましたね。
ー他のFC加盟店と比べて、どのような違いを意識していましたか。
まず僕が一番に意識してたのが、店舗内を綺麗にするっていうことなんですよ。これすごく当たり前のことなんですけども、当たり前にできていない店舗ってやっぱり多いんですね。
それはレンタカー業だけじゃなくて、いろんなお店でもそうなんですけど、まずそこを綺麗にしていないことには、物を探すのにも時間がかかりますし、何をやるにしてもやっぱり効率が悪いんですよね。
特にレンタカー業なので、車を綺麗にするっていうのが仕事の中にあるので、それが直結して繋がってくるので。やっぱり一番、常に目の前にあることを綺麗にするっていうのをかなり心がけていました。
不思議なんですけど、店舗が汚くなるとなぜか故障とか事故が増えるんですよ。これは何の因果関係もないんですけど、ただ数値としてちゃんと出てくるので、不思議なんですけど、そこはかなり意識はしてましたね。
本部マニュアルでいくと、例えば店長さんが全く知らない方がぽんと本部研修入った時に、1週間ぐらい研修期間が泊まりであるんですけども。私がやってた時は、誰でも20時間研修すればすぐにデビューできますよっていうところなので。3日4日入ってもらえれば、もうすぐに即戦力としてできるような研修の体制は整えていました。
ーM&A(資本提携)を考え始めたのは、いつ頃からでしょうか。
意識し始めたのは2018年。結構前ですね。
私自身が子供がいないので、じゃあ誰かに事業承継するって言っても、承継する人が現実的にいないなと思ったんですよ。で、じゃあ従業員にっていうのがあるんですけども、働いていらっしゃる方がほとんど9割以上がパートさんなんですよね。
さすがにパートさんに重荷を背負わせるわけにはいかない。かといって子供がいるわけではない。じゃあどうしようかって考えた時に、M&Aっていう選択肢もあるんだということで、今回相談することに至りました。
ーM&A(資本提携)の実際のプロセスについてお聞かせください。
齊藤さんという方がいらっしゃって、その方は10年近く前からの知り合いなんですけども。M&Aする時はまずその齊藤さんに相談しようって決めてたんですよ。そこからですね、買い手さん探していただいてたんですけども、基本関東の方なので、こちらの愛知県ってなるとちょっと距離が離れてるということで。それで、ご相談いただいて、若村さん(弊社代表)と、もう一社のM&Aコンサルティングさんと共同して進めていっていただいたという流れですね。
ー3社での共同サポートはいかがでしたか。
結論でいくと非常に満足してますね。相談させていただいて、まずスピード感がすごい早いっていう印象でした。
何かあった時にはすぐ相談に乗ってくれますし、相談に乗るだけじゃなくて、アドバイスもいただいたりとか、「この書類が必要です」って言われて、それに対して、普通だったら「処理が必要です」で終わりだと思うんですけども、そこからも、その取得方法だったりとか、どうすればいいかっていうのを事細かくアドバイスいただいたのが非常に大きいですね。
あとは、おそらく若村さんは一番交渉に長けてらっしゃるイメージなんですよね。その調整っていう部分に関してかなり上手だなっていう印象を受けまして、すごいなっていうのは思いました。
齊藤さんも、まだお若いですけども、抜け漏れなくしっかりやってくれてるっていう印象があったので、私個人としては非常にやりやすかったです。
ートップ面談を通じて、先方代表にどのような印象を持ちましたか。
会社と会社の面談でもあるんですけども、その会社と会社である前に人と人との面談じゃないですか。
シンプルに、この人と一緒にお仕事したら楽しいだろうなと思ったんですよ。ビジョンを語っていただいたんですけど、1個のレンタカーではなくて、移動手段、モビリティとして考えてる。
なので、その移動手段が車だけではなくて、他に自転車でもいいし、バイクでもいいし、1個の交通手段をモビリティと称してやっていきたいっていうお話に共感をしまして、今回いろいろお話をさせていただいて、決断に至りました。
ーマルシメ株式会社についてお聞かせください。
(以下、譲受側企業である「マルシメ株式会社」代表取締役社長・大熊康丈氏のインタビューです)
マルシメという会社ですけども、創業が1910年ですね。なので今年で114年経っている古い会社なんですけども。やってることは石油製品の販売業、仕入れ販売っていうのが主たる事業で。
もう1つは、産業向け、とりわけ農業ですね。ハウス園芸向けの重油、冬場の重油ですね。あとは工場も結構ありますので、工場に向けて、燃料もさることながら潤滑油ですね。こういったものの取り扱いもかなり幅広くやっています。
一方で、ガソリンスタンド中心としたBtoCマーケットに向けては、モビリティ事業っていう形で、鉄道なりバスなりをうまく活用すれば車乗らなくてもいいはずなんですけども、やっぱりみんな当たり前のように車乗るというところの隙間を埋めてくために、例えばシェアサイクリング、こういったものでやっぱり移動手段の自由さ、多様化についていくっていうことをやってるというビジネスを始めてます。
ーエクシオ、そして原代表に対して、どのような印象を持ちましたか。
まさにモビリティ事業の発展のために、非常に重要であったレンタカーという業態。シェアエコノミーを加速させてくことが、ひいてはそのモビリティの多様化、移動手段の多様化というところにつながるので、かなり大掛かりにやっている今回のエクシオさんというのは、非常に私にとっては魅力的なものに映ったというところでした。
思ってた以上に社長様が非常に聡明な方で、すごいよく考えてビジネスモデルを作られてきた。加盟店であることの価値を最大限活用するっていうことの観点と、いわゆるパートさんだけでも店舗運営ができるというオペレーションモデルを自分なりにお考えになって、それでいながら細かいところまで目が届くシステムっていうんですかね、そういうことを緻密に組み立てられていたっていうこと。
話を聞けば聞くほど伝わってきて、これは素晴らしいなという印象を持って、じゃあやっていこうという風に決めたというところですね。
ーM&A仲介サポートチームには、どのような印象を持ちましたか。
実は私自身が元々事業再生のコンサルを長いことやっていて、M&Aのいわゆる専門業者さんは付き合いも多数あって、大体その業界慣習含めて分かってるつもりです。
そこで言うと、端的に言うと非常に良心的に寄り添ってやっていただいたっていう印象です。
ーグループ入りによって、どのような効果を期待していますか。
(以下、「エクシオ」元代表取締役社長の原健祐氏のインタビューです)
私が代表としてやってきたのがここまでだとしたら、もっと大熊社長、マルシメさんだったら伸ばしていけるんじゃないかなと思ってます。
これなぜかと言うと、元々ガソリンスタンドだったりとか、いろんな事業をされていて、その事業と非常にシナジーが高いので、同じモビリティ、自動車として、ポテンシャルまだここまでじゃなくて、もっとこの辺(高く)、この辺(高く)っていうふうに行けるんじゃないかなと個人的には思ってます。
ー株式譲渡の最終契約を終えた今のお気持ちをお聞かせください。
感覚とすると、手塩にかけて育てた可愛い娘を、由緒正しいご家庭に嫁にやるような感覚でした。
やっぱり自分の会社だったので可愛いので、いいところに行ってほしいじゃないですか。なので、すごく満足してます。
寂しさはないです。なんで寂しさないかって言うと、今も関わらせていただいてるんですよ。
そのまま決済が成立した後は、もう来なくていいですよってなるだろうなって想像してたんですけども、大熊社長が、これからも引き続きアドバイザーとして、顧問としてお願いしますって言っていただいたので、今も関わらせていただいてます。
ー後継者不在に悩む経営者へ、メッセージをお願いします。
次に引き継ぐ方がいれば特に問題はないと思うんですよ。決めてらっしゃるとか、その引き継ぐ方も引き継ぐ意思のある方だったら問題ないと思うんですけども。
私みたいに、じゃあ次どうしようかっていう時に、1人で走ってる分にはいいんですよ。個人事業主1人だけだったらいいんですけども、そこに一緒についてきてくれる、一緒の船に乗ってきてくれる仲間がいる時に、その船頭をやっているのを、誰かに引き継いでバトンをタッチしないといけないので、そういう時にはM&Aっていう選択肢はすごく有効だと思いますし、買い手、売り手、あと従業員、家族全員が幸せになれる唯一の方法がM&Aだと今回確信しましたので、もし考えていらっしゃらなくても、一度相談した方がいいんじゃないかなと心から思います。
インタビュー・執筆:株式会社事業承継通信社


































