後継者不在のレンタカー会社を次の成長へ。エクシオが選んだモビリティ企業への承継

  • 株式会社エクシオ
その他サービス業
会社名
株式会社エクシオ
事業内容
レンタカー事業(ガッツレンタカーのフランチャイズ店舗を愛知県内で6店舗展開)
M&A検討理由
親族・社内に後継者がいなかったため/従業員と事業を次世代へ引き継ぐため/さらなる事業成長のため
M&A実行後
マルシメグループの一員となり、創業者は顧問・アドバイザーとして事業に関与
譲渡先
マルシメ株式会社
譲渡スキーム
株式譲渡(発行済株式の100%)

格安・安全・安心を掲げる「ガッツレンタカー」のフランチャイズに加盟し、愛知県内で6店舗を展開してきた株式会社エクシオ。2024年秋、同社は発行済株式の100%をマルシメ株式会社へ譲渡し、同社グループの一員となりました。後継者不在という課題を抱えていたエクシオと、モビリティ事業の拡大を目指すマルシメ。両社がM&Aを決断した背景と、成約までのプロセスをご紹介します。

100台の車両から始まったレンタカー事業

エクシオの原健祐様は、ガッツレンタカーへのFC加盟を機にレンタカー事業を開始しました。加盟時、本部から「すぐに100台規模になる」と聞き、その言葉を信じて一度に100台の車両を購入。大きな一歩を踏み出しました。

しかし、当初購入した車両には故障が相次ぎました。貸し出した車が故障し、代替車もまた故障するという対応が続き、最初の約1年間は心身ともに厳しい時期だったといいます。それでも一つひとつ課題を解決しながら、店舗と車両を増やしていきました。

パート社員を中心に運営できる仕組みを構築

事業を成長させる中で原様が磨き上げたのが、パート社員を中心に店舗を運営できるオペレーションです。FC加盟店としての仕組みを最大限に活用しながら、細部まで目が届く管理体制を独自に構築しました。

この運営モデルは、後に譲受企業となるマルシメからも高く評価されました。事業の規模だけでなく、限られた人員でも安定的に店舗を運営できる仕組みそのものが、エクシオの大きな価値となっていました。

親族にも社内にも後継者がいないという課題

原様がM&Aを意識し始めたのは2018年頃でした。ご自身に子どもがおらず、親族内承継が難しい状況に加え、従業員の9割以上がパート社員。社員へ経営の重責を負わせることも、現実的な選択肢ではありませんでした。

一人で営む事業であれば、自分の判断だけで終わり方を決められます。しかし、共に働く従業員がいる会社では、その人たちが乗る船を次の船頭へ引き継がなければならない。原様は、従業員と事業の未来を守る方法として、第三者への株式譲渡を検討するようになりました。

信頼する専門家から始まった共同サポート

原様は、M&Aを行う際には、約10年前からの知人である齊藤様へ最初に相談すると決めていました。そこから買手候補の探索が始まり、愛知県の案件をより円滑に進めるため、事業承継通信社と、もう1社のM&Aコンサルティング会社を含む共同サポート体制が組まれました。

プロジェクト開始後、原様が特に感じたのは対応の速さでした。必要書類を案内するだけでなく、その取得方法や準備の進め方まで具体的に説明。疑問が生じた時にはすぐに相談でき、各専門家がそれぞれの役割を担いながら、抜け漏れのない進行を支えました。

事業承継通信社は、当事者間の条件や意向を整理する交渉・調整面を中心に支援しました。原様からは、細かな調整を含めて進めやすく、共同チーム全体のサポートに非常に満足したとの評価をいただいています。

トップ面談で共感したモビリティの構想

譲渡先となったマルシメ株式会社とのトップ面談で、原様が大切にしたのは、会社同士の条件だけでなく「人と人」として一緒に仕事をしたいと思えるかどうかでした。

マルシメの大熊康丈様が語ったのは、レンタカーだけに限定せず、自動車、自転車、バイクなどを含む幅広い移動手段を「モビリティ」として捉える構想でした。原様はそのビジョンに共感し、「この人と一緒に仕事をしたら楽しいだろう」と感じたことが、譲渡を決断する大きな要因になったといいます。

レンタカー事業を成長させる高いシナジー

マルシメは、エクシオのレンタカー事業を、モビリティ事業の発展に欠かせない存在と評価しました。シェアエコノミーを加速させることが、移動手段の多様化につながると考えていたためです。

大熊様は、原様がFC加盟店としての価値を最大限に引き出し、パート社員を中心に運営できる緻密なビジネスモデルを築いていた点にも着目。話を聞くほど会社の魅力と可能性を感じ、グループ化を決断しました。

マルシメが手がけるガソリンスタンドなどの既存事業と、エクシオのレンタカー事業は親和性が高く、同じ自動車・モビリティ領域でさらなる成長が期待されています。

株式譲渡後も、顧問として事業に伴走

最終契約を終えた時、原様は「手塩にかけて育てた娘を、信頼できる家庭へ送り出すような感覚だった」と振り返ります。大切に育ててきた会社を良い相手へ託せたことに、大きな満足を感じていました。

譲渡による寂しさはなかったといいます。その理由は、成約後も大熊様から顧問・アドバイザーとしての関与を求められ、引き続き事業に携わることになったためです。創業者が築いた知見を活かしながら、新たな経営基盤のもとで成長を目指す承継となりました。

原様は、後継者不在に悩む経営者に対して、従業員や家族を含めた会社の未来を考えるうえで、M&Aは有効な選択肢になると伝えています。後継者が決まっていない場合には、まず専門家へ相談し、可能性を知ることが大切だと語っています。

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