- 屋号
- ナチュラーレ
- 事業内容
- エステサロン事業(ブライダルエステを含む)
- M&A検討理由
- 第二の人生を模索/事業に対するモチベーションの低下
- M&A実行後
- 事業を引き継ぎ後、創業者は活動の場を海外にも広げて活動中
- 譲渡先
- 異業種の会社
- 譲渡スキーム
- 事業譲渡
関西を中心に複数の直営サロンを展開するナチュラーレ、ブライダルエステ分野では地域トップクラスのシェアを誇る企業へと成長しました。23年間の経営を経て、2021年に主軸であるエステ事業を譲渡。創業者の脇本様が語る、起業から譲渡に至るまでの経緯と、その決断に込めた思いをご紹介します。
「エステは伸びる」ー 未成熟市場への確信と挑戦
輸入卸・流通業から起業をスタートし、その後未経験のエステ事業に参入した脇本様。当時の日本では珍しかった「都度払い・低価格・気軽に通えるサロン」というモデルを導入し、新たな市場ニーズを開拓していきました。
店舗を増やす中で、ブライダル分野への特化を進め、広告媒体を活用した安定的な集客にも成功。特に2010〜2013年頃には、売上が大きく伸長する好調期を迎えました。
人材不足と自身の限界。譲渡を意識した転機
その一方で、店舗拡大に伴いマネジメントの負荷が増し、十分な人員確保も難しい状況に。周囲に経営を引き継げる人材がいない中で、「自分ひとりで成長を続けるには限界がある」と実感するようになりました。
「廃業という選択も頭をよぎったが、それは簡単にはできない」ー 従業員や顧客への影響を考え、第三者への承継が唯一の道であると判断されたといいます。
大手仲介に依頼するも、譲渡先選びは難航
当初は大手M&A仲介会社の支援を受けて進めたものの、希望条件での交渉成立には至らず、契約期間内での譲渡は見送りに。新型コロナの影響もあり、足元の業績が振るわない中で条件面の調整も難航しました。
その後、事業承継通信社にサポートを依頼。新規候補の開拓や交渉面でのきめ細やかな対応により、改めて譲渡プロセスが前進し、無事に新たな譲渡先が決定しました。
引継ぎ先に求めたのは「業界常識にとらわれない柔軟さ」
譲渡先の選定にあたっては、業界経験や年齢層など、複数の候補者と面談する中で検討を重ねた脇本様。
最終的に選んだのは、若くエネルギーにあふれ、業界の慣習にとらわれない視点を持った経営者でした。「技術面は社内で補完できる体制があったため、むしろ新しい風を吹き込んでくれる方が良い」と判断されたといいます。
「肩の荷が下りた」ー ゼロから育てた事業への達成感
譲渡を終えた今は、「寂しさよりも、肩の荷が下りたという気持ちの方が大きい」と語ります。ゼロから立ち上げた事業を第三者に託し、価値ある形で手放すことができたことに、大きな達成感を感じておられました。
「事業をやりきったという実感があります。今後は、原点に立ち戻って海外で何かやってみたいですね」と、次のステージを静かに見据えています。
事業承継は「好調のときこそ考えるべき」
「一番売りたくない時、つまり、好調の時こそ売却を考えるべき」ー 同じように承継を検討する経営者に向けて、こう語ってくださいました。
決定率の高いブライダルエステに特化し、長年目標としていた売上を数年前に達成。しかしその後は、自らのなかでさらなる成長のイメージが描けず、モチベーションも次第に薄れていったといいます。
「今改めて振り返って強く思います。そこが事業承継のベストタイミングでした」
さらに、事業の出口戦略については、どの経営者にとっても避けて通れないテーマだと語ります。
「どんな経営者でも、どんな事業でも終わり方のイメージ、イグジット、事業承継は考えておくべきです。難しいとは思いますが、絶頂を迎えた時が事業承継のベストタイミングだと思います」
「人柄」「スピード」「成果」ー 当社を選んだ理由
脇本様が当社をご評価いただいた理由として、まず担当者の「人柄への信頼」が挙げられました。
さらに、買手候補の提案スピードや成功報酬の安さ、コンタクト数・面談設定数の多さも、他社と比べて優れていた点として印象に残っているとのこと。結果的に、「このコロナ禍でも納得のいく譲渡をまとめてくれたことに感謝している」とお話しくださいました。