- 会社名
- 株式会社Massa&Artists(東京都)
- 事業内容
- フラワーデザイン業(ウエディング・イベント装花・ブランド装飾など)
- M&A検討理由
- 本業(フラワーデザイン)に専念/財務・経営面への不安/従業員を守る体制の確保
- M&A実行後
- 事業を承継後、創業者は本来の創作活動に専念
- 譲渡先
- 株式会社ユー花園
- 譲渡スキーム
- 株式譲渡
独創的なフラワーデザインで知られるMassa&Artistsは、2024年春、株式会社ユー花園の傘下に入りました。創業者であるMassaこと中川様が語る、M&Aに至る経緯とその後の変化。今回は譲受側である株式会社ユー花園・田中様の視点も交えながら、事業承継のプロセスをご紹介します。
創業の動機は「肩書を外して、自分を試したい」
帝国ホテルや老舗花店でキャリアを積み、業界でも名を知られる存在となっていたMassa様。15年前にMassa&Artistsを立ち上げた背景には、「肩書を外した自分に、どこまで通用するかを試したい」という思いがあったといいます。
「独立したことも、会社経営も初めて。不安は大きかった」と振り返るMassa様ですが、顧客の信頼と仲間の支えを得て徐々に事業を拡大。ホテルウェディング、ブランドイベント、アーティストのステージ装花など、幅広い領域で実績を重ねていきました。

コロナ禍で直面した経営の現実
転機となったのは新型コロナの影響でした。イベントの中止やホテルの閉鎖により、仕事は激減。新卒採用した社員への対応や、固定費の負担がのしかかる中で、「このままでは社員を守れないかもしれない」と強く感じたといいます。
「創業当初に感じていた資金面の不安が、再び目の前に現れたようだった」ー こうした状況が、将来的な不安と向き合うきっかけになりました。
廃業か、資本提携か。守るための選択
「自分たちだけで生き残れるか、自信がなかった」ー そう語るMassa様は、廃業と提携の二択を真剣に検討。最終的に選んだのは、事業承継通信社のサポートによる第三者承継・M&Aの道でした。
「方法がわからない中で、信じて任せるしかなかった。でも、それが正解だったと今は思える」
当社代表の若村との対話を重ねるなかで、「事業を守るために託す」という考え方が固まっていったといいます。
安心して任せられる相手との出会い
譲渡先となったのは、ブライダル・葬儀など幅広い花事業を展開するユー花園。とりわけ印象に残ったのが、ユー花園の副社長である田中あゆみ様の存在でした。
「非常に明るく、感性の合う方だった。話していて、自然と信頼できると感じた」とMassa様。技術面は社内で補完できる体制があったため、「新しい風を吹き込んでくれる経営者のほうが良い」という判断につながったといいます。
譲受企業が語る、グループ化の意義
ユー花園の田中様は、Massa&Artistsのクリエイティブ性を「非常に尖っていて、刺激になる存在」と評価。花業界の中でも異なる文化を持つ両社が出会うことで、「お互いに学び合い、高め合える関係が築けると確信した」と話します。
「新しい仲間が増えたことが本当に嬉しい。これからが楽しみです」と語るその言葉からは、今後への期待がにじんでいました。
本来やりたかった「創造」に専念できる今
M&Aを経て、Massa様は経営から一歩引いた立場に。「理想に近づいた。ようやく本来やりたいデザインに集中できるようになった」と語ります。
「大谷翔平選手が野球に専念したいと思うのと同じ。自分もようやく“花をいける”ことに全力を注げるようになった」ー そう笑顔で話す姿が印象的でした。
最後に、Massa様は同じように経営と創造の狭間で悩む人々へ、こうメッセージを残しました。
「もし、今やっている仕事に専念したいという思いがあるなら、その環境を作るべき。信頼できるパートナーを見つけて、背負っていた荷物を少し降ろすだけで、驚くほど楽になります。僕はそうでした」
インタビュー動画はこちら
Massa様ご本人が語る、創業からM&Aに至るまでの思いや背景について、動画でご覧いただけます。