越境EC事業を急成長させた30代経営者「売却はリセットできる選択肢」

  • 株式会社ACM
EC
会社名
ACM株式会社
事業内容
越境EC事業
M&A検討理由
自身による運営に限界を感じたため/さらなる事業拡大のため
M&A実行後
事業成長と人材安定が実現・創業者は投資家として次のステージへ
譲渡先
EC事業を展開する企業
譲渡スキーム
株式譲渡

株式会社ACMは、越境EC事業を中心に創業から3年間で急成長を遂げました。年商は初年度1億円超から3年目には4億円を突破。成長の最中、自らの限界と会社の未来に向き合った創業者の徳留様は、34歳で事業の譲渡を決断します。売却に至る背景とその後の変化をご紹介します。

成長の陰で感じていた限界と、変化への不安

IT企業・飲食業界での勤務を経て起業された徳留様。越境EC市場への参入は「やりたいことではなく、自分にできることからのスタートだった」と話します。

事業は右肩上がりに拡大し、売上も人員も順調に増加。しかし、成長とともに背負う責任やプレッシャーも大きくなり、次第にモチベーションの維持が難しくなっていきました。

「疲れを感じるようになっていた自分では、会社に必要な変化やチャレンジができない。いずれ業績も落ちてしまうかもしれない。」ー そんな危機感が、「経営を誰かに託す」という発想につながっていきました。

会社の未来のため、視点を変える選択

「自分をリセットして、会社に新しい視点を入れたほうが、より良い未来につながると考えました」と徳留様。譲渡を決断した背景には、従業員や会社を守りたいという思いがありました。

仲介会社を通じて譲渡を進める中では、全ての情報を買手にオープンにすることを心がけ、「良いことも悪いことも理解してもらえるよう、資料なども含めて丁寧に準備した」と振り返ります。

価値を見出された社内資産と、譲渡への納得感

譲渡プロセスを通じて、これまで気づいていなかった「会社の価値」に出会えたことも大きな学びだったといいます。

自社開発の在庫管理システムや社員向けマニュアルなど、日常業務のために整備してきた仕組みが、企業としての評価につながりました。「やっておいて良かった」と笑う徳留様。事業の価値が客観的に認められる経験は、創業者としても印象深いものでした。

譲渡先の決め手は「信頼できる人柄」

候補企業の中でも、最終的に譲渡を決めたのは、EC分野で実績のある経営者が率いる企業でした。

「最初にお会いしたときから信頼できる雰囲気がありました。何十年も経営をされてきた自信と落ち着きがあり、対等に話を聞いてくださる姿勢にも安心感がありました。」

事業内容の相互補完性も高く、「自社とは販売形態や地域が異なっていたため、シナジーが出せると感じた」といいます。今後の発展を見据えた、納得のいく選択となりました。

売却は「リセットできる」選択肢

引継ぎを終えた現在は、今後の人生を再設計中。「会社売却は、自分をリセットする良い意味での“逃げ道”になると思います」と語ります。

「会社員なら辞めるという選択肢があるが、オーナー社長にはそれが難しい。売却という方法で従業員や取引先との関係を守りながら、次のステップに進めるのは大きな意義がある」ー 同じ立場の経営者に向けたメッセージも残してくださいました。

仲介会社の伴走支援で、安心して進められたプロセス

仲介会社選びでは「最低手数料が高すぎるところは除外し、数社に相談した」とのこと。

その中で事業承継通信社を選んだ理由は、「初回面談で、事業だけでなく自分自身の状況にも耳を傾けてくれたこと」。

「悩みや不安、時にはトラブルも、本音で相談できたことは大きな支えでした」ー 企業価値の整理や売却先への説明にとどまらず、経営課題に関する相談にも真摯に向き合う姿勢が、信頼につながったとのお声をいただきました。

TOP